認知症が関わる行方不明者年々増加しています。2016年に全国の警察に届け出があった行方不明者は1万5千人にあがっています。
認知症は、社会が向き合うべき課題です。いつあなたや、あなたの家族の身に降り注ぐか分かりません。
認知症とは
人は年齢とともに、体や脳の衰えを感じてきます。
「さいきんもの忘れがひどくなった」
と感じる方も多いのではないでしょうか。
この「もの忘れ」と「認知症」はまったく違う症状です。
「もの忘れ」は、体力や筋力が年とともに老化するように脳の老化によって起こる現象です。
脳の神経細胞は、1日約10万個死滅しているとも言われています。
脳の中では、日々神経細胞が死滅しています。この細胞が死滅するスピードが早くなれば、脳の萎縮が進むと言われています。認知症は何かの病気を原因として脳細胞が死滅するスピードが早まってしまうことで発症します。
症状が進行すれば、日常生活に支障がでてくることもあり、若くして症状があらわれることもあるのです。
じつはこの認知症のリスクと睡眠に深い関係があるといわれています。
アナタの睡眠、大丈夫ですか?
認知症のリスクが、睡眠に関係があると聞くととても不安になりますね。
毎日眠っているだけで、認知症のリスクが増加しているかもしれないのです。
認知症になりやすい、睡眠があると言われています。
日々の睡眠が認知症に影響してしまうことがあります。
寝ている時にある状態に陥ってしまうと、認知症のリスクが加速してしまいます。
その状態とは、「いびき」です。
いびきと認知症のリスク
寝ている間にいびきをかいている方は認知症になりやすいリスクが高いことが、最近の研究で分かってきたのです。
しかし自分が寝ている間にいびきをかいているかは、なかなか分からないものです。
疲れた時に一時的にいびきをかくことはあっても、普段はいびきをかいていないと思っている方も多いでしょう。
自覚のある方や、自覚がない方も、ただのいびきと思っていてはいけません。
東京医科歯科大学の玉岡明洋先生によると、イビキをかいている人は認知症になる確率が高いと発表しています。
イビキをかいている人の喉は気道が狭くなっており、酸素が取り込めない状態になり、この状態が続くと脳の神経細胞が死滅してしまうのです。
いびきをかいている状態とは
通常2~3センチある喉の奥が、いびきをかくと、ほとんど塞がっている状態になってしまうのです。
これは、体に酸素が取り込まれない状態で、脳の神経細胞が死滅を加速させてしまいます。
通常、血中の酸素濃度は99~95パーセントが正常の状態ですが、いびきをかいているときは95パーセント以下になることもあります。
陸上競技400メートルを全力疾走をした時の状態が、酸素濃度が95パーセントといわれています。
いびきをかいている人は、全力疾走をしているような低酸素状態が毎晩続くわけです。
認知症のリスクはどのくらい?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)をご存知でしょうか?
睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる疾患で、大きないびきをかくのが特徴です。ふだんから大きないびきをかいている方は、この症状かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群の方は、認知症のリスクがなんと2倍になると言われています。
いびきをかいているときの酸素濃度が、95パーセントを切るケースもあり、低酸素ゾーンが多い方は一時間以上も続く方もいらっしゃいます。
この状態が続けば脳の神経細胞が死滅して、認知症リスクに繋がる可能性が高くなってしまいます。
しかもやっかいなことに、自覚がないかたがほとんどです。家族の指摘で気付くこともありますが、一人暮らしの方は自覚が送れることもあります。
睡眠時無呼吸症候群の対策
睡眠外来のある神経内科でお医者さんに相談してみましょう。
症状の軽い方であれば、市販のグッズでいびきを解消することもできます。
マウスピース
いびきを解消するためのマウスピースです。
最初は違和感もあるかもしれませんが、慣れてくるといびきをかかずに快適に眠れます。
抱き枕
いびきを解消するために横向きで寝れば、舌の落ち込みを防ぐことができます。
しかしずっと横向で寝るのは、つらいと感じることもあります。
そんな方には、抱き枕を活用し横向きで寝やすい姿勢を保ちましょう。
まとめ
いびきが認知症のリスクをあげると聞くと、今日から少しでも対策をしたいと思いますよね。
家族にいびきをかく方がいれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性もないとは限りません。睡眠外来のある神経内科で相談してみることが、家族の健康を助けます。